「請求書に何を書けばいいのか、決まりはあるのだろうか」
「取引先から書き直しを求められた。どこが足りなかったのか分からない」
「振込手数料や支払期限は、書いておくべきなのか」
請求書は、代金を受け取るための最初の一歩です。ところが決まった書式があるわけではないため、何を書けば十分なのか判断しにくいものです。
書き方そのものより大事なのは、相手が迷わず支払える状態にすることです。項目が足りないと問い合わせが発生し、その分だけ入金が遅れます。
この記事では、請求書に必要な項目から、支払条件の書き方、送り方、入金までの管理、そしてよくあるつまずきまでを順を追って解説します。
決済の導入や見直しでお悩みではありませんか?審査に強いJPCCが、あなたの事業に合った決済導入を無料でご相談に乗ります。
【結論】請求書に決まった書式はない。ただし「揃えるべき項目」はある
結論から言えば、請求書の書式は法律で定められていません。手書きでも、表計算ソフトでも、専用のサービスでも構いません。
一方で、相手が支払うために必要な情報は決まっています。ここが欠けると、相手の経理で処理が止まり、確認の連絡が入り、入金が遅れます。書式より項目、と覚えておくと迷いません。
請求書の役割は3つ
①支払ってもらう金額と期限を伝える、②取引があった事実を記録する、③相手の経理が処理できる形にする、の3つです。とくに③を意識すると、書くべきことが見えてきます。
請求書に入れる項目

一般的に揃える項目です。上から順に埋めていけば形になります。
①タイトルと請求書番号
「請求書」と明記します。あわせて自社で管理する番号を振っておくと、問い合わせのときに特定しやすくなります。番号は入金消込のときに効いてきます。
②発行日
いつ発行したかを書きます。相手の締め日に合わせる必要がある場合が多いため、先に相手の締め日を確認するのが実務のコツです。
締め日と支払いサイトの考え方は締め日・支払いサイトを解説した記事で整理しています。
③宛先(相手の名称)
正式名称で書きます。「御中」と「様」の使い分けは、会社・部署宛なら御中、個人宛なら様です。略称や通称は避けるのが無難です。
④自社の情報(名称・住所・連絡先)
誰が請求しているかを明示します。問い合わせ先の電話番号やメールアドレスも書いておくと、確認の連絡がスムーズです。
⑤取引の内容(品目・数量・単価・金額)
何に対する請求かを1行ずつ書きます。「一式」だけで済ませないことが大切です。相手の経理が何の費用か判断できず、差し戻しの原因になります。
⑥合計金額
いちばん目立つ場所に書きます。消費税の扱いを分けて表示し、税込の総額がひと目で分かる形にします。
⑦支払期限
いつまでに支払ってほしいかを日付で書きます。「請求書発行後30日以内」のような書き方より、具体的な日付のほうが行き違いが起きません。
⑧振込先の口座情報
金融機関名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義を書きます。口座名義はカタカナも併記しておくと、相手が振込画面で入力するときに迷いません。
口座名義の表記ルールは口座名義の書き方を解説した記事が参考になります。
⑨備考(振込手数料の扱いなど)
手数料をどちらが負担するかを書いておくと、金額のズレを防げます。書いていないと、手数料を差し引いた金額が入金されて差額が残ることがあります。
負担のルールについては振込手数料の負担に関する記事で扱っています。
支払条件の書き方で入金の早さが変わる

同じ内容でも、書き方次第で入金までの時間が変わります。
期限は「日付」で書く
相手の担当者が計算しなくて済む形にします。計算が必要な書き方だと、後回しにされやすくなります。
相手の支払サイクルに合わせて発行する
多くの会社は締め日を決めて支払いをまとめています。締め日を1日過ぎるだけで、入金が1か月先になることがあります。相手の締め日を把握して逆算するのが最も効果的です。
分割や前払いが必要なら、最初に合意しておく
金額が大きい取引や、納品まで期間がある取引では、着手時と納品時に分けることがあります。請求書を出す段階ではなく、受注の時点で決めておくのが原則です。
送り方と保管
紙とデータ、どちらでもよい
相手の運用に合わせます。メールで送る場合は、改ざんされにくい形式にするのが一般的です。
送ったら「届いたか」を確認する
入金が遅れる原因で意外に多いのが、請求書が担当者に届いていないケースです。送付後に一言確認しておくだけで防げます。
控えを保管する
発行した請求書は、法令で定められた期間の保存が必要です。データで保存する場合は、保存方法にも要件があります。
電子データでの保存については電子帳簿保存法と決済実務を解説した記事で扱っています。
出したあとの管理が本番

請求書は出して終わりではありません。入金の確認までが一続きの仕事です。
入金の消し込みをする
どの請求に対する入金かを突き合わせる作業です。件数が増えるほど負担が大きくなります。
効率化の方法は入金消込を解説した記事にまとめています。
期限を過ぎたら早めに連絡する
放置するほど回収は難しくなります。まずは事務的な行き違いを疑い、届いているかの確認から入るのが角が立ちません。
売掛金として管理する
請求したが未入金の状態は、帳簿上は売掛金として扱われます。考え方は売掛金を解説した記事で整理しています。
支払い方法を増やすと回収が早まることがある
振込だけでなくカード払いを受けられるようにすると、相手の資金繰りの都合で支払いが遅れるケースを減らせる場合があります。
請求書をカードで支払う仕組みは請求書カード払いを解説した記事で扱っています。
よくあるつまずき

「一式」でまとめてしまう
相手の経理が費目を判断できず、確認の連絡が入ります。手間に見えても、内訳を書くほうが結果的に早く終わります。
宛名や金額の書き間違い
書き直しになると、その分だけ入金が遅れます。とくに金額と口座番号は、送る前にもう一度見る習慣をつけてください。
振込手数料の扱いを書いていない
差額が発生し、消し込みのときに手が止まります。備考の1行で防げます。
相手の締め日を確認していない
入金が1か月ずれる最大の原因です。新規の取引先には、最初に締め日と支払日を聞いておくことをおすすめします。
よくある質問
押印は必要ですか?
法律上の義務ではありません。ただし取引先の運用で求められる場合があるため、相手の慣習に合わせるのが現実的です。
手書きでもよいですか?
問題ありません。ただし件数が増えると管理が難しくなるため、継続的な取引ならデータで作成するほうが後の作業が楽になります。
請求書番号は必須ですか?
必須ではありませんが、付けておくことを強くおすすめします。問い合わせ対応と入金消込の効率がまったく変わります。
支払期限を過ぎても入金がない場合は?
まず届いているかを確認します。事務的な行き違いが原因のことが少なくありません。そのうえで、支払日の見通しを確認する流れが自然です。




