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振込手数料はどちらが負担する?原則と商習慣・契約での決め方【2026年版】

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振込手数料はどちらが負担する?原則と商習慣・契約での決め方【2026年版】

振込手数料はどちらが負担する?原則と商習慣・契約での決め方【2026年版】

「請求した金額より少ない額が振り込まれていた。手数料が引かれている」

「振込手数料は、こちらが負担すべきなのだろうか」

「取引先ごとに扱いが違って、消し込みのたびに手が止まる」

振込手数料の負担は、1件あたりの金額こそ小さいものの、件数が積み上がると無視できない差になります。しかも金額がずれると入金の消し込みが止まり、その確認に時間を取られます。

この問題がやっかいなのは、法律で一律に決まっているわけではない点です。原則はありますが、契約や商習慣で変えられます。だからこそ、決め方を知っておく意味があります。

この記事では、法律上の原則から、実務での商習慣、契約書での決め方、請求書での書き方、そして差額が出たときの対処までを解説します。

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【結論】原則は「支払う側」の負担。ただし取り決めで変えられる

振込手数料の負担は原則と取り決めの関係で決まる。取り決めがなければ支払う側が負担するのが原則だが、契約で決めればどちらにもできる。実務では取り決めが優先されるため、書いておくことがすべて

結論から言えば、民法上の考え方では支払いにかかる費用は支払う側(債務者)が負担するのが原則です。振込手数料もこれに含まれます。

ただしこれは「当事者間で別の取り決めがない場合」の話です。契約で決めれば、受け取る側の負担にすることもできます。実務では、この取り決めのほうが優先されます。

なぜ「支払う側」が原則なのか

約束した金額を相手に届けるところまでが支払う側の義務、という考え方によるものです。届けるための費用も、届ける側が持つ、という整理になります。

実務では逆になることも多い

一方で、取引の力関係や業界の慣習によって、受け取る側が負担する形も広く見られます。原則を知っていても、現実には取引ごとに違うと考えておくのが実務的です。

実務でよくある3つのパターン

振込手数料の負担による入金額の違い。①支払う側が負担=請求額どおりの金額が入り消し込みが簡単 ②受け取る側が負担=入金額が手数料の分だけ少なくなり、差額が出て消し込みで手が止まる ③一定額まで支払う側=書面に明記しないと運用できない。手間がいちばん増えるのは②

パターン1:支払う側が負担(原則どおり)

請求額どおりの金額が入金されます。受け取る側にとっては最も分かりやすく、消し込みも簡単です。

パターン2:受け取る側が負担(手数料を差し引いて入金)

請求額から手数料を引いた金額が入金されます。差額が出るため、消し込みで「未入金の残り」が発生します。これが実務でいちばん手間になるパターンです。

差額をどう処理するかを決めておかないと、帳簿上に少額の売掛金が残り続けます。

パターン3:一定額まで支払う側、超過分は受け取る側

あまり多くはありませんが、金額で線を引く形もあります。取り決めが複雑になるため、書面に明記しておかないと運用できません。

契約書での決め方

もめないためには、取引を始める段階で決めておくのが確実です。

どちらが負担するかを明記する

「振込手数料は買主の負担とする」「売主の負担とする」のように、一文で構いません。曖昧な表現を避けることが大切です。

継続取引なら基本契約で決めておく

取引のたびに確認するのは非効率です。基本契約書に入れておけば、以降の個別取引で迷いません。

取り決めがない場合は原則に戻る

何も決めていなければ、原則である「支払う側の負担」が基本になります。ただし相手が慣習で差し引いてくる場合もあるため、先に確認しておくほうが確実です。

請求書での書き方

請求書の備考に1行入れるだけで差額が防げる。振込先の欄には金融機関名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義を書き、口座名義はカタカナも併記すると相手が迷わない。備考欄に「振込手数料は貴社にてご負担ください」と記載する

契約書がない取引でも、請求書に書いておけば行き違いを減らせます。

備考に1行入れる

「恐れ入りますが、振込手数料は貴社にてご負担ください」のように、備考欄に書きます。この1行があるだけで、差額の発生をかなり防げます。

自社が負担する場合も書いておく

負担する側を明記しておけば、相手が満額を振り込んで「多く払いすぎた」となる事態も防げます。どちらの場合も書いておくのが親切です。

口座情報を正確に書く

手数料以前に、口座情報が正しくないと入金自体が滞ります。口座名義はカタカナも併記しておくと、相手が入力するときに迷いません。

表記のルールは口座名義の書き方を解説した記事で扱っています。請求書全体の項目は請求書の書き方を解説した記事にまとめています。

差額が出たときの対処

振込手数料の差額が出たときの進め方。①取り決めを確認する(契約書や過去のメール)②合意どおりか判断し、Yesなら自社負担として処理する。Noなら③事務的に確認する(「請求書に記載のとおり」と、責めずに事実の確認として伝える)④次回から仕組みで防ぐ(請求書の記載・基本契約)。差額の処理方法を経理側で決めておくと消し込みが止まらない

手数料が引かれて入金された場合の実務です。

まず取り決めを確認する

契約書や過去のやり取りを確認し、そもそもどちらの負担で合意していたかを見ます。合意どおりなら、差額は自社負担として処理します。

合意と違う場合は、事務的に確認する

相手の担当者が慣習で処理しているだけ、というケースが少なくありません。「請求書に記載のとおり」と伝えるだけで解決することがほとんどです。

少額のために関係を悪くするのは得策ではないため、事実の確認として淡々と伝えるのが望ましい対応です。

今後のために取り決めを更新する

同じことが繰り返されるなら、次回から請求書に明記する、基本契約に入れる、といった手当てをします。1件ずつ対応するより、仕組みで防ぐほうが早いです。

差額の処理を決めておく

少額の差額を毎回残していると、帳簿が煩雑になります。手数料相当額をどう処理するかを経理側で決めておくと、消し込みが止まりません。

消し込みの効率化は入金消込を解説した記事で扱っています。

手数料そのものを減らす考え方

負担者を決めるだけでなく、発生額自体を抑える工夫もあります。

支払いの回数を減らす

都度払いから月まとめの支払いに切り替えれば、振込の回数が減ります。相手の締め日に合わせて請求をまとめるのが基本です。

締め日と支払いサイトの考え方は締め日・支払いサイトを解説した記事で整理しています。

同じ金融機関の口座を使う

取引先と同じ金融機関の口座であれば、手数料が抑えられる場合があります。取引量が多い相手なら検討する価値があります。

振込以外の支払い方法も検討する

請求書をカードで支払う方法もあります。振込の手間と手数料の考え方が変わるほか、支払う側の資金繰りにも影響します。

仕組みは請求書カード払いを解説した記事で扱っています。BtoB取引での位置づけはBtoB決済の効率化を解説した記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

請求書に何も書いていない場合、どちらの負担になりますか?

取り決めがなければ、原則として支払う側の負担です。ただし相手が慣習で差し引くこともあるため、書いておくほうが確実です。

手数料を差し引かれたら、残額を請求できますか?

取り決めが「支払う側の負担」であれば、差額は未払いとして請求できます。ただし実務では、まず行き違いを確認するところから始めるのが一般的です。

個人のお客様からの入金でも同じ考え方ですか?

基本的な考え方は同じです。ただし個人のお客様に手数料を求める場合は、申込みや購入の前に分かる形で示しておく必要があります。

手数料の金額はどこで分かりますか?

金融機関や振込方法によって異なり、改定もあります。金額は必ず利用する金融機関の最新の案内で確認してください。

まとめ:原則は支払う側。ただし「書いてあるか」がすべて

振込手数料は、法律上の原則では支払う側の負担です。しかし取り決めがあればそちらが優先され、実務では受け取る側が負担する形も広く見られます。

つまり大事なのは原則そのものより、取引の前に決めて、書面に残しておくことです。継続取引なら基本契約に、単発なら請求書の備考に1行。それだけで差額の確認作業がほぼなくなります。

差額が出てしまった場合は、相手を責めるのではなく事務的に確認するのが得策です。そして同じことが繰り返されるなら、1件ずつ対応せず仕組みで防いでください。

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