「ネットショップは作ったけれど、クレジットカード決済はどうやって入れるの?」
「使っているカートによって、決済の入れ方は変わるの?」
「決済代行会社は自分で選べる?それともカート任せ?」
ECサイトの立ち上げでつまずきやすいのが、決済まわりの手続きです。商品ページやデザインは自力で進められても、「お金を受け取る仕組み」だけは仕組みが見えにくく、どこから手をつければよいのか分からなくなりがちです。
実は、決済導入の進め方は「どのタイプのECカート(ショッピングカートシステム)を使っているか」でほぼ決まります。カートのタイプが決まった時点で、選べる決済代行会社の範囲も、必要な作業量も、かかる期間もおおよそ確定します。
この記事では、ECカートを3つのタイプに整理したうえで、それぞれの決済の入れ方、決済の繋ぎ方3方式、カート乗り換え時に起きやすいトラブル、そして導入までの流れを順番に解説します。専門知識がなくても判断できるよう、平易な言葉で整理していきます。
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【結論】決済の入れ方は、使っているECカートの「タイプ」で決まる
結論から言うと、決済導入で最初にやるべきことは決済代行会社を探すことではなく、自社のECカートがどのタイプかを確認することです。タイプによって「自分で決められる範囲」がまったく違うためです。
簡単に言えば、カートが用意した決済をそのまま使うのか、決済代行会社を自分で選んで繋ぐのか、この二択がタイプによって決まります。ここを取り違えると、契約したあとで「そのカートには繋げません」と分かって手戻りが発生します。
タイプによって変わるのは「自由度」と「手間」
カートのタイプが違うと、変わるのは主に2点です。ひとつは決済代行会社や決済手段をどこまで自分で選べるかという自由度、もうひとつは繋ぐためにどれだけの作業が必要かという手間です。
この2つはトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たない関係)です。手軽なカートほど選択肢は限られ、自由度の高い環境ほど負担が増えます。
先に確認しておきたい3つのこと
カートのタイプを確かめたら、次の3点もあわせて確認しましょう。いずれも管理画面や公式のヘルプページで調べられます。
- 外部の決済代行会社と連携できるか……「決済モジュール」「決済プラグイン」「外部決済連携」といった項目があるかを見ます。
- 連携できる決済代行会社が指定されているか……対応済みのサービス一覧が公開されている場合、その中から選ぶことになります。
- 継続課金(サブスクや定期購入)に対応しているか……定期販売を予定しているなら、ここは必ず先に確認します。
決済手段の組み合わせは別途決める
カートのタイプが決まっても、「何で払えるようにするか」は別の検討事項です。クレジットカードだけでよいのか、コンビニ払いや後払い、QRコード決済まで揃えるのかで、必要な契約や画面の作りが変わります。
どの決済手段を用意すべきかは、扱う商品や客層によって答えが変わります。カートのタイプを確認する段階で候補を洗い出しておくと、後から追加する手戻りを減らせます。
ECカートは大きく3タイプ|決済の入れ方はこう変わる

ECカートは、無料・簡単構築型のASPカート、有料のASP・SaaSカート、オープンソース/フルスクラッチの3つに整理できます。ASP(インターネット経由で使えるサービス型のシステム)とは、自分でサーバーを用意せず月額などで利用する形態を指します。
ここでは特定のサービス名ではなく、タイプごとの構造の違いとして説明します。同じタイプでも細部は異なるため、最終的には利用中のカートの仕様をご確認ください。
タイプ1:無料・簡単構築型のASPカート
初期費用ゼロ、数時間でショップが公開できるタイプです。このタイプは決済機能が最初から組み込まれているのが最大の特徴で、管理画面でスイッチを入れるだけでカード決済が使える状態になります。
その代わり、決済の提供元はカート運営側が指定しており、原則として自分で決済代行会社を選ぶことはできません。決済手段の追加やカスタマイズも、カートが用意した範囲内に限られます。
まず売れるかを試したい段階では合理的な選択です。一方で、取扱高が増えて決済条件を見直したくなったときに動かせる余地が少ない点は、把握しておきましょう。
タイプ2:有料のASP・SaaSカート
月額料金を払って利用する本格的なASPカートです。このタイプはあらかじめ複数の決済代行会社との連携機能が用意されていることが多く、その中から自社で選んで契約し、管理画面に発行された情報を設定して繋ぎます。
決済代行会社と直接契約するため、決済手段の組み合わせや条件を自社の事情に合わせて相談できます。作業としては、連携用の設定情報を管理画面に入力し、テスト決済で動作を確認する流れが中心です。
ただし、連携できる決済代行会社はカート側が対応しているものに限られます。使いたい会社が決まっているなら、契約前に「そのカートに対応しているか」を必ず先に確認してください。
タイプ3:オープンソース/フルスクラッチ
自社でサーバーを用意し、公開されているECシステムを設置する、あるいはゼロから開発するタイプです。決済代行会社を制約なく自由に選べるのが強みで、独自の販売方法にも合わせられます。
一方で、決済を繋ぐには実装作業が必要になります。決済代行会社が提供する開発資料に沿って組み込み、テスト環境で検証し、公開後もシステム更新やセキュリティ対応を自社で担うことになります。
社内に開発体制がある、または制作会社と継続的な付き合いがある場合に向く選択肢です。運用の手間まで含めて判断しましょう。
3タイプの比較表
| タイプ | 決済代行の選択 | 必要な作業 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 無料・簡単構築型ASP | カートが指定(選べないことが多い) | 管理画面の設定のみ | とにかく早く始めたい |
| 有料ASP・SaaS | 対応リストの中から自社で選ぶ | 設定+テスト決済 | 条件を自社で決めたい |
| オープンソース/フルスクラッチ | 自由に選べる | 実装・検証・保守 | 独自要件がある・開発体制がある |
決済の繋ぎ方は3方式|リンク型・トークン型・API型

決済代行会社と繋ぐ方法にも、大きく3つの方式があります。結論として、手間が少ない順にリンク型・トークン型・API型で、逆に画面の自由度は逆順に高くなります。
選べる方式はカートのタイプにも左右されますが、違いを知っておくと打ち合わせで話が噛み合いやすくなります。
リンク型(URL決済):最も手軽
決済用のURLを発行し、購入者にそのページで支払ってもらう方式です。自社サイトに決済の仕組みを組み込む必要がないため、開発をほとんど伴わずに始められます。
ECカートを持たない場合や、受注ごとに個別で請求するスタイルとも相性が良い方法です。仕組みの詳細はペイメントリンク(URL決済)の解説記事で整理しています。
トークン型・JS型:カード情報を自社で預からない
カード番号の入力欄だけを決済代行会社の仕組みで表示し、番号を「トークン」(意味を持たない別の文字列)に置き換えてやり取りする方式です。自社のサーバーにカード番号が届かないため、セキュリティ面の負担を大きく減らせます。
購入画面の見た目は自社サイトのまま保てるので、離脱を抑えたいECサイトで広く採用されています。考え方はトークン決済の仕組みを解説した記事が参考になります。
API型:自由度は最大、実装は必要
決済代行会社が用意したAPI(システム同士をつなぐ窓口)を使い、自社システムから直接やり取りする方式です。購入フローや会員情報との連携を細かく設計でき、独自の販売方法にも対応できます。
その分、実装と検証の工数がかかり、開発できる体制が前提になります。具体的な進め方は決済API連携のガイドで解説しています。
方式の選び方
| 方式 | 画面の自由度 | 開発の負担 | 向いている体制 |
|---|---|---|---|
| リンク型 | 低い | ほぼ不要 | ひとり運営・開発リソースなし |
| トークン型・JS型 | 高い | 小〜中 | 制作会社に依頼できる |
| API型 | 最も高い | 大きい | 社内に開発チームがある |
カートの乗り換え・リニューアルで決済に起きる問題

すでにECを運営していてカートを移行する場合、決済まわりは移行作業の中で最もトラブルが起きやすい部分です。商品データや会員情報と違い、外部の契約や審査が絡むためです。
継続課金の引き継ぎができない
サブスクや定期購入を運用している場合、既存の課金情報をそのまま新環境へ移せるとは限りません。決済代行会社やカートをまたぐ移行では、契約者に登録し直してもらう必要が生じるケースがあります。
この場合、登録し直しの案内をどう出すかで解約率が大きく変わります。移行の検討段階で、継続課金の扱いを最優先の確認事項に置いてください。
カード情報の再入力が必要になる
登録済みのカード情報は、原則としてそのまま持ち出せません。カード番号は決済代行会社の側で厳重に保管されているため、事業者が自由に移せる性質のものではないからです。
再入力をお願いする以上、購入者の手間は避けられません。分かりやすい案内文と、入力しやすい画面を用意することが、離脱を減らす現実的な対策になります。
切り替えの谷間に決済の空白期間ができる
旧環境を止めてから新環境が動くまでに間が空くと、その間の注文がまるごと取りこぼしになります。審査やテストに想定以上の時間がかかると、この空白は簡単に発生します。
対策はシンプルで、新旧を重ねる期間を設けることです。進め方の全体像は決済代行の乗り換えガイドで詳しく整理しています。
決済導入の流れと、事前に決めておくこと

決済導入は、申し込めばすぐ使えるものではありません。審査とテストに時間がかかる前提でスケジュールを組むことが、公開日を守る唯一の方法です。
おおまかな流れは次のとおりです。カートのタイプが違っても、審査とテストが挟まる構造は共通しています。
導入までの5ステップ
- 1. カートのタイプと連携可否を確認する……外部の決済代行を繋げるかどうかを最初に確定させます。
- 2. 決済手段を決める……カード決済に加え、何を用意するかを絞り込みます。組み合わせ方はEC決済の導入ガイドが参考になります。
- 3. 申し込みと加盟店審査……事業内容やサイトの記載内容が確認されます。
- 4. 設定または実装、テスト決済……テスト環境で一連の流れを検証します。
- 5. 本番公開……公開直後に少額の実取引で最終確認をします。
審査で見られるポイントを先に整えておく
加盟店審査では、事業の実態とサイトの記載内容が確認されます。特定商取引法に基づく表記、返品・返金の条件、問い合わせ先といった基本項目が抜けていると、それだけで差し戻しになることがあります。
審査にかかる期間は事業内容や書類の状況で変わるため、余裕を持って着手するのが安全です。準備の勘所は加盟店審査の通過率を上げるポイントにまとめています。
テスト環境と公開日を先に押さえる
テストでは、購入完了だけでなく、キャンセル・返金・エラー時の表示まで確認します。ここを飛ばすと、公開後に「返金の操作が分からない」といった運用の詰まりが起こります。
公開日は、審査の完了予定日から逆算して余裕を持たせて設定してください。セール開始日など動かせない予定がある場合は、さらに前倒しで動きましょう。
ECカートの決済導入に関するよくある質問
よく聞かれる質問をまとめます。条件はカートや決済代行会社によって異なるため、最終確認は各社への問い合わせが確実です。
無料のカートでも決済代行を自分で選べますか
選べないことが多いのが実情です。無料・簡単構築型のカートは、決済機能があらかじめ組み込まれた形で提供されているため、提供元の変更は想定されていないケースが一般的です。
自分で選びたい場合は、外部連携に対応した有料のカートや、自社構築の環境を検討することになります。
決済導入にかかる費用はどれくらいですか
初期費用・月額費用・決済ごとの手数料という3つの要素で構成されるのが一般的です。金額は業種や取扱高、決済手段の組み合わせによって変わるため、一律の相場を示すのは難しいのが実情です。
比較する際は手数料率だけでなく、入金サイクル(売上が振り込まれるまでの期間)も含めて見ることをおすすめします。
カード情報を自社で保存しても良いですか
保存しない設計にするのが基本です。国内のEC事業者にはカード情報を自社で持たない「非保持化」が求められており、トークン型などの方式を使えば自然に条件を満たせます。
あとから決済手段を追加できますか
多くの場合、追加は可能です。ただしカートが対応している範囲内に限られ、追加ごとに設定や審査が必要になることがあります。
将来的に追加したい決済手段があるなら、最初の相談時に伝えておきましょう。





